本書は、「倭王朝は任那(加羅)から渡来してきた王朝である」という歴史学的な説(第一章)と、『記紀万葉』を書いたのは663年の白村江の戦いの後に亡命してきた百済人一世・二世達である」という言語学的な説(第二~八章)を論証するものです。
  しかし、本書トータルのテーマは、「白村江の戦い」は、「弥生時代の開始」、「明治維新」と並んで、日本社会の政治・経済・文化の構造を根底から揺るがした日本史(日本列島人類史)の三大ターニングポイントの一つであり、今日我々がイメージする『日本』という国は、白村江敗戦の結果として生まれた、という命題を論証することにあります。
  一般人のみならず、歴史学者・考古学者・政治学者・国語学者などにあまりに軽視され過ぎている「白村江の戦い」の意義を問い直し、古代東アジアの国際社会のせめぎ合いの中で成立した「日本」という国家の根源を見据えること、 それが本書の目的です。 

 なお、本書の中核を為す「上代特殊仮名遣い百済帰化人記述説」の骨子は、
2001年5月 国語学会(現日本語学会)春季大会
2002年10月 日本音声学会 全国大会
2010年3月 日本中国語学会 関東支部拡大例会
2010年10月 朝鮮学会 全国大会
と4度に亘って正統的アカデミズムの学会で発表している正統的言語学説です。
「万葉集は朝鮮語で読めば別の意味に解せる」といった類の「疑似科学説(詭説・トンデモ説)」と同一視しないでください。

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